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ひきこもごも 書簡録

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 書簡録

初詣(Rへ)ー手紙の記録

復拝。ポストカードありがとう。
無事に帰国できたようでよかった。

 

先日、初詣に伏見稲荷大社鞍馬寺に参拝した。

なんでもカズさんのおじい様が鞍馬寺の神主さんをされていらっしゃったそうだ。
カズさんのおじい様が他界された折には、鞍馬寺にご遺骨が納められたそうで、ゆかりあるお寺さんなのだそうな。

 

実はこの鞍馬、今の私の住む家の最寄駅から8分という近さ。

私は鞍馬から3駅の市原という場所に住んでおります。

小学2年生のころ、沖縄からはるばる家族4人で京都観光に来た時にも鞍馬に足を伸ばしたが、まさか十数年越しに鞍馬の近所に住むなんて思いもよらなかった。

カズさんも、自分に縁のある鞍馬の近所に住む沖縄出身の人間と関係が発展するとは思っていなかったらしい。

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11月の鞍馬

鞍馬山といえば、源義経鞍馬天狗に武術や兵法を習った所として知られているよね。

ここに来るたびに「よくこんな転けそうな所で修行したな…」と思ってしまう。

 

鞍馬はどうやら「暗間」「闇間」がもとになっているともいわれるそうで、なるほど確かに樹々がうっそうと茂ってものものしい。
こころなしか酸素が薄いような気がしないでもない。

本当は登山をするつもりだったけど、悪天候で足元が悪く、カズさんが足を負傷していたので、登りはケーブルカーに人生で初乗車。

登山するとカーブが多いし階段もきついので結構長く感じるけど、ケーブルカーだとめちゃくちゃ短かった。
2分くらい。
それでも野生のリスが走り回っている光景を目にすることができた。
猫も可愛いけど、野生のリスも可愛いね。

 

鞍馬寺に参拝しに来たのには目的があった。

先述したように、カズさんのおじい様の代までは神主さまをされていたこともあり、カズさんのご実家にはご立派な神棚がある。
その神棚には虎の阿吽の置物が祀られていて、その虎の置物こそ、鞍馬寺で毎年新春のみ授与される魔除けなのだそう。
カズさんは毎年、正月の鏡開き前に阿吽の虎の置物を奉納し、また本年分も神棚に祀るために足を運んだんだって。
私はのこのこと付き添うのみ。

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鞍馬寺本殿

ちなみに、なぜ阿吽の狛犬や狐ではなく虎なのかというと、鞍馬寺創立者の、鑑真の高弟鑑禎が鬼に襲われ、毘沙門天に助けられたのが「虎の月」「虎の日」「虎の刻」だったからなんだとか。

と偉そうに書き連ねているが、こういうことはRの方が詳しいと思うので、釈迦に説法でしたね。
すみません。

 

本堂や下山途中にカズさんのゆかりある場所に参拝した。
山頂から見える山の景色は、牛若丸の時代から変わっていないような気がする。

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鞍馬山の景色

登りはケーブルカーでわからなかったが、山を徒歩で下ってみると、昨年の大きな台風の爪痕がまだ色濃く残っているのがよくわかる。
木々が倒れ、土砂が積もって決壊し立ち入り禁止になった鳥居や神殿がたくさんあったのが嘆かわしい。

 

鞍馬寺・山を後にして、腹の虫が騒ぎ出したところで駅のすぐ近く「鞍馬かどや」というお店に。
ここの親子丼と山椒がめっちゃくちゃ美味しい!
次回鞍馬に足を運ぶ際には山椒をお送りするね。

 

鞍馬は何回か来たことがあったけど、毎回「また来たい」と思う、数少ない場所のひとつ。

以前くらま温泉で食べたぼたん鍋も美味しかったし、なにより人が温かい。

鞍馬山の山門でも、「拝観料」ではなく「愛山費」と書かれていて、感心した。
ぜひ、Rもお越しになることがあって、時間の余裕がある上に健康な時には、鞍馬界隈と私の住処に是非立ち寄ってみてね。
おまちしとります。

 

境内で入手した手ぬぐいを添えるね。
よければご活用くださいまし。

では、また。

かしこ

宮城拝

R様足下

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送付日:2019/01/22